« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

2017-11-23

『ローガン・ラッキー(Logan Lucky)』スティーヴン・ソダーバーグ監督、チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、他

注・内容、台詞などに触れています。
ローガン・ラッキー
Logan Lucky

監督 : スティーヴン・ソダーバーグ
出演 : チャニング・テイタム
アダム・ドライヴァー
ダニエル・クレイグ
ライリー・キーオ
セス・マクファーレン
ケイティ・ホームズ
キャサリン・ウォーターストン
ドワイト・ヨーカム
セバスチャン・スタン
ジャック・クエイド
ヒラリー・スワンク、他

物語・物語・脚が不自由で仕事も家族も失ったジミー(チャニング・テイタム)は、人生を一変させようと犯罪計画を立てていた。それはカーレース「NASCAR」が開催されるサーキット場の金庫から、大金を強奪するというものだった。片腕を失った元軍人の弟クライド(アダム・ドライヴァー)、カーマニアの妹メリー(ライリー・キーオ)、爆破のプロで服役中のジョー(ダニエル・クレイグ)を仲間に迎えるジミー。ジョーを脱獄させて金庫を爆破し、再び彼を獄中に戻す大胆不敵な計画は順調に進んでいたように思えたが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lucky1

Memo1
終始、見ている間。ニマニマがとまりません。
ハラハラドキドキさせるタイプの作品ではなく「まっさかぁ~、こんなに上手くいくわけがないじゃん 笑」と思っているうちに(観客も計画の全貌がわからないまま、ことの成り行きに)まんまと乗せられたままラストまで。
ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダー一味がウェストバージニアでやらかした、みたいな気分を味わいつつ、あー、こんな映画を見たかったのだよ、うんうんと頷くことしきり。
『オーシャンズ』シリーズや『コンテイジョン』などでおなじみ、伏線回収、空白の時間の解説(種明かし)シークエンス。小気味良いテンポでサササーっと描いていく。
(『コンテイジョン』のパンデミック発端が判明する遡りラストは怖かったー)
全編、小ボケが効いた台詞が多数。
・「森に行ってクマに会ってこい
(あるぅ日ー、森のなぁかー、クマさんに~、ではあるまいし 笑)
…で、実際クマの着ぐるみで現れているし…w
・バングに協力する囚人たちが食堂に立てこもって要求するのが『ゲーム・オブ・スローン』原作『氷と炎の歌』の第6部『冬の狂風』
所長がひとこと。
ドラマのほうが原作より先に進んでいる
・「まるで映画みたいな話だ」
ほら、あの、オーシャンズセブンイレブン
(字幕訳だけではなく実際にそう言ってる 笑)

Lucky2

Memo2
チャニング・テイタムと娘のやり取りが、と~っても微笑ましい。
(冒頭の車をメンテナンスしている際の工具を手渡す息のピッタリさ)
アダム・ドライバーがどこかもっさりとした風体で見事な片手でカクテルを作ったりするバーを営む弟クライド役。
『パターソン』の時に思ったけれど、声がもぞもぞっとした感じで、こういう役柄とてもあってる!
ダニエル・クレイグが007とは違ったハイテンション金庫破りの役(しかも手口が爆破で金庫を開ける大雑把な手法。さらには大金強奪のYouTubeで見たという方法。名前もジョー・バングって)
妹メリーはドートマンダーシリーズで言うとさしずめスタン・マーチ?(道順ではなくて車自体に詳しい)
ヒラリー・スワンクが出てきただけでヒラリー・スワンク 笑
(出ていることを知らなかったので余計にヒラリー・スワンク)
ラストのバー、Duck Tapeでローガン兄弟たちの向かい側のカウンターに座っているのは、やっぱり「ローガン家の呪い」は溶けなかったのだろうか?と思わせる締めくくり。
(それにしても1番セコイ悪党は、被害額を水増し申告して保険会社から大金をせしめたであろうレースの経営者)←ジョーはきっちりと行動10ヶ条の「引き際を見極める」を実行してるのに。
フリー・ファイヤー』『エイリアン : コヴェナント』(本作、まさかのキャサリン・ウォーターストン出てるし)に続いてジョン・デンバーの曲が。(今年だけで3作品。何か、あるのだろうか?)
さらに付け加えると来年早々公開の『キングスマン・ゴールデンサークル』にも。
いろいろ選曲が素晴らしいけれど『フォレスト・ガンプ』『バトルシップ』など、よーく登場するこの曲!
Creedence Clearwater Revival
Fortunate Son
娘がコンテストの発表会でバッチリメイクもファッションも決めているのにリアーナの歌を止めて父親ジミーの姿を見つけて「パパの大好きな歌を」と「カントリー・ロード」を歌い始めるシーン。
会場の観客(子供たちの親ら)もメロディにのせてくちづさみはじめ、いつの間にか合唱へ。
そう!ここはニューヨークでもラスベガスでもなくウェストバージニア!
ブログ記事タイトル、これにしようと思ったけれどあまりにあまりなのでやめたけれど一応記載 → 食塩とグミとゆで卵とカリフラワーとジョン・デンバー。

『ローガン・ラッキー』オフィシャルサイト
http://www.logan-lucky.jp/

| | トラックバック (6)

If you must blink, do it now.『KUBO クボ 二本の弦の秘密(kubo and the two strings)』トラヴィス・ナイト監督、アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ、他

注・内容に触れています。
KUBO クボ 二本の弦の秘密
kubo and the two strings

監督 : トラヴィス・ナイト
出演 : (Voice Cast)
アート・パーキンソン
シャーリーズ・セロン
マシュー・マコノヒー
ルーニー・マーラ
レイフ・ファインズ、他

物語・クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kubo1

Memo1
If you must blink, do it now.
まさに「瞬きすらしてはならぬ」流麗さ。
あまりに滑らかすぎてストップモーションではなくCGだと思ってる人、多いんじゃないかなぁと心配になるレベルの美しさ。
(もちろんCGやロトスコープなどデジタルペインティングも施されているし、後処理ブラーや光学処理などいろいろ加えられているけれども、根本にあるのはマペットを創り、手に触れるものに命を吹き込むことが第一義としてある)
Laika作品を通して言えることだけれども、本作もまたまたキャラクター造詣が面白い。
アイパッチのクボ、クワガタ、サル(猿・申)、浄瑠璃系人形の趣きの母、闇の姉妹の叔母たち(NHKで昔放送していた、あの人形劇想起!)
それにしても折り紙のストップモーションアニメとは!!!
オリガミ・ハンゾウの「はい、こっちこっち」と方向を指し示す動きの楽しさ!
『モアナ』のタトゥーや『未知との遭遇』ハイウェイ沿いに登るUFO「アイスクリン!」のように小さきものが、主人公の行く手を案内したり暗示する造りは定番にして好み。
グッときた台詞。
(母であるサルと父であるクワガタと紅葉の船の上で)
「こうやって誰かの間で食事したのは初めて」
『コララインとボタンの魔女』でも出てきた悪夢イメージと連なる目(眼)のモチーフ。
見えないことが見えること。
3つの伝説の武具のうちの最後のひとつ「兜」
最初に住んでいた村の鐘に使われていたことがわかり、原点となる場所へと戻る。
武具を探す旅、月の帝と父ハンゾウとの戦いの真実を知る旅、それらの全ては既にここに。
If you must blink, do it now.
Voice Cast
月の帝の声が!レイフ・ファインズってヴォルデモート卿や〜、とかシャーリーズ・セロンとルーニー・マーラが対決していると脳内変換できたり非常に贅沢にして的をえたキャスティング。
(評判の良い日本語吹き替え版は現時点で未見)

Kubo2

※Memo2
脚本 (PDFファイル・保存が可能)
http://focusfeaturesguilds2016.com/workspace/uploads/screenplay/kubo_and_the_two_strings_awards-2016-final.pdf
エンディング曲にやられた!といった方も多いと思いますが、まあ、本当になんてことしてくれるんだという選曲とアレンジ、アニメーション。
最後にとどめの早送りメイキングシーン(ここで「エッ!?これって人形だったの」とビックリされたのではないかと…)
そのエンディング曲のオフィシャルビデオ。
Regina Spektor
While My Guitar Gently Weeps Official Video
https://www.youtube.com/watch?v=8hUOKjy-9-o
歌川国芳相馬の古内裏(Takiyasha the Witch and the Skeleton Spectre)」をモチーフとしたHall of Bones sequenceメイキング
(英訳は図録などに記載されているものではなく一般的に広まっているものを記載)
https://www.fxphd.com/blog/kubo-and-the-two-strings-behind-the-hall-of-bones/

Kubo3

「相馬の古内裏」はメイキングでも言及されているけれど、もうひとつ印象的な海底の目玉はオディロン・ルドン「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた』なのだろうか?
他にも葛飾北斎(冒頭の波濤はまさに!)や斎藤清の版画にもインスパイアされているとインタビューなどで答えている。
3D Printer によるパペット制作
https://www.digitaltrends.com/movies/laika-cgi-3d-printing-stop-motion-kubo-and-the-two-strings/
また、別の記事
http://www.hollywoodreporter.com/features/how-kubo-two-strings-merged-stop-motion-animation-3d-printing-a-400-pound-puppet-955406
3Dプリンターによるパペット制作とLaikaならではのストップモーションアニメーション技術『KUBO クボ 二本の弦の秘密』そして、3Dモデリングとレーザーカッター、昔ながらのクラフツマンシップが合わさったミニチュア『ブレードランナー 2049』と今年はアナログとデジタルのまさに混じり合った融合の傑作が見られた年。

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/

| | トラックバック (6)

2017-11-12

『 IT イット “それ”が見えたら、終わり。』アンディ・ムスキエティ監督、ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ヴォルフハルト、ソフィア・リリス、他

注・内容、台詞に触れています。
IT イット “それ”が見えたら、終わり。
IT

監督 : アンディ・ムスキエティ
出演 : ジェイデン・リーバハー
ビル・スカルスガルド
フィン・ウォルフハード
ソフィア・リリス
ジェレミー・レイ・テイラー
ワイアット・オレフ
チョーズン・ジェイコブズ
ニコラス・ハミルトン
ジャクソン・ロバート・スコット、他

物語・とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

It1

Memo1
なるほど。
この方法があった。
原作を読んでいる人、昔の映像版を見たことがある人、全く予備知識無しで見た人。
それぞれでうける印象は変わりそう。
既に知っている人からすると原作から重要なポイントを上手く抽出しての鋭い脚本に唸り、初めて見る方にとっても、漂うジュブナイル感とドキドキがミックスされたホラーの秀作となっている。
年代も27年後が現在の2016~2017年になるように設定された1980年代に置き換えている点は偶然なのかマーケティングによるものなのか?
小説が出た年、さらに90年のテレビ版を見た世代が、その時代へのノスタルジーを加味した上で見ることのプラスアルファ。
親の過度な干渉、性的虐待、いじめなど、それぞれが抱えている問題(心の奥に押し込めてしまう「それ」自体)が恐怖となって増幅される。
ラスト、ペニーワイズが「Fear…」(本当の恐怖は…)とつぶやくように消えていく。(まだつづく感が半端ではない締め方)
さらに川のそばでそれぞれが手のひらに傷をつけ、血の誓いを告げる。
"IT"がまた戻ってきた時は、みんなまたここに戻ってくると…。
(このあと、ひとりとひりの去っていく順番って、もしかして…???)
一番怖いシーンは冒頭の7歳の弟、ジョージがペニーワイズと遭遇するところ。
容赦なく腕を噛みちぎる場面はインパクトが大きい。その後、ペニーワイズが出てくる度に身構えてしまう。
で、身構えが過ぎるところへべバリーが浴室で「エルム街の悪夢」再現の鮮血シーン。ふりかえると「ギャッ」と突然現れるところは悲鳴があがっていた。
監督インタビューによると本作撮影中に『ストレンジャー・シングス』の配信が始まったのでフィン・ヴォルフハルトの両作品出演は偶然ということみたい。
(『ストレンジャー・シングス』マイクと違ってこちらはひたすら喋ってますが…笑)
自転車「Silver」
字幕にも出ていたけれど本編中では際立って重要ポイントはなかったので、これは続編で再登場ということだろうか?
スティーヴン・キング作品に時折登場する「亀」もレゴをはじめ水遊びをしているときに「足になにか触った」「亀がいる」と言った台詞なども出てきた。
蛇足
全く関係ないけれど最初に読んだ時から思ってたので、ちょっとメモ w
ペニーワイズとベニズワイガニで踏める。

It2

Memo2
Main Titles → Picture Mill
End Credits → SCARLET LETTERS
使用曲リスト
Songs and music featured in It (2017)
https://www.tunefind.com/movie/it-2017
カラーリスト(Colorist)は『ゾディアック』や『スノーデン』など多数手がけているCOMPANY 3Stephen Nakamura
町全体に漂う不穏当な空気。夜間や曇天シーンを多用するわけではなく、青春ものとしての真夏の空、陽の光もしっかりととらえ、その上でギラギラ感を少し薄めたカラー調整は見事。
判別できないほどのペールトーンとしてイエローアンダーベースをレンズフィルターソフトで後調整しているようにも見える濁りの少ない黄色みが足された空の色
http://www.company3.com/artists/stephen-nakamura-2/

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

| | トラックバック (0)

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »