絶滅すべきでしょうか?『勝手にふるえてろ』綿矢りさ原作、大九明子監督、松岡茉優、北村匠海、渡辺大知、石橋杏奈、他
注・内容、台詞に触れています。
『勝手にふるえてろ』
監督 : 大九明子
原作 : 綿矢りさ
出演 : 松岡茉優
北村匠海
渡辺大知
石橋杏奈
趣里、古舘寛治
前野朋哉、片桐はいり他
物語・初恋相手のイチを忘れられない24歳の会社員ヨシカ(松岡茉優)は、ある日職場の同期のニから交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しいニとの関係に気乗りしないヨシカは、同窓会を計画し片思いの相手イチと再会。脳内の片思いと、現実の恋愛とのはざまで悩むヨシカは… (物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●2015年放送の「さんまのまんま」に橋本愛とふたりで出演した際、カメラ目線で「主演映画はまだありません」と訴えて(笑)から3年近くにして遂に!
そのテンポ、タイミング、声や表情のバリエーション。
まさに松岡茉優100%!
なによりも(頭の先から尻尾まであんこの詰まったたい焼きのように)始めから最後まで出ずっぱり。
こういうパターンは稀有だと思うし大成功している
(通常、主人公を浮かび上がらせるために周辺の人たちのエピソードを別に描いたりするものだが、それをやらなかったことが逆に広がりを持つことになってる)
●妄想シーンはあるが回想シーンはない、見事な直線構造。
そして中盤に訪れる転換点。
(後述、歌のシーン)
なんだ、ねじれてる割には知り合い多いじゃん、コミュニケーション取れてるじゃん…と、思わせておいてのぼっち具合。孤独真っ逆さま。
原作未読だけれども、これは相当に練られた脚本。
●こじらせ具合、ねじれ方、くすぶり具合の匙加減が絶妙。
観客によせて共感前提で作っていないのもよかったなぁ。
●時にミュージカルっぽく歌で綴る真実の姿。
「絶滅すべきでしょうか?」
「この距離が私と世の中の限界」
「ねえアンモナイト、生き抜く術を教えてよ」
(ここを歌で描いたのは秀逸。これ台詞やモノローグだったらキツイわー。演じた松岡茉優キャラクターもありきで実に見事)
●空気読めない人が集まるときのズレの面白さ。
見ていてイタイ(時に思い当たるフシが多々。あゝイタイ)
ヨシカもスゴイが二を演じた黒猫チェルシー、渡辺大知の「おいおい、そこき気ィつかえょぉぉぉぉ」と見ているこちらがツッコミたくなるほどのウザさを演じていて上手い。
そしてイチ(北村匠海)のこれまた遠目の富士山みたいな見た目かっこ好いが近づくとやはりバリア張りまくりの利己的キャラ。
その極めつけの台詞
(同窓会きっかけで開かれた上京グループの集まり。朝方。アンモナイトの話など共通点がいろいろ出てきて喜ぶヨシカに対して)
「ごめん。名前なんだっけ?」
※Memo2
●パンフレットデザインは大寿美トモエさん
上記画像は表紙。表4は赤一色の中心にアンモナイト。
付箋含めて本作のキーカラーは赤!
●ヨシカのファッションがキャラクターにマッチ(ダサ可愛いより、やや可愛い寄りのキワキワ線)して素晴らしくよいなぁー、と思い調べたら「ひよっこ」衣装監修の宮本茉莉さんでした(ドラマ中のワンピースも、とてもチャーミング)
映画『勝手にふるえてろ』公式サイト
http://furuetero-movie.com/
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