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2021-03-15

終劇。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』庵野秀明・総監督、すべての25年間のスタッフとキャスト

シン・エヴァンゲリオン劇場版

※ネタバレしています。(文章内・敬称略)
いろいろ追記予定。

Ev1

監督 :
庵野秀明(総監督)
鶴巻和哉
中山勝一
前田真宏

すべての25年間のスタッフとキャスト


Ev01

Memo1
1995年。『エヴァンゲリオンTV版』初放送の年、金子修介監督が『ガメラ 大怪獣空中決戦』岩井俊二監督が『Love Letter』是枝裕和監督が『幻の光』で劇場映画デビュー『ドラゴンボール』が連載終了して、Windows95発売された、そんな年。(もちろんふたつの大きな出来事、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件もあった)
見事な幕引き。
そして終劇とは25年にわたって関わってきたスタッフ、キャスト(声優)、ファン、観客に対してのピリオド。そして、ありがとう。
最後のシークエンス。
以前、村上龍小説を映画化した庵野監督『ラブ&ポップ』ラスト、「あの素晴らしい愛をもう一度」にのせて目黒川を延々歩く4人の主人公を追うワンカット長回しシーンの鮮やかさにも似た印象。
3.0+1.0は新劇場版3本まとめての3.0に対してシン・エヴァ1.0と理解。
(「破」チラシ裏面にほぼ、そのような記載)
初号試写が行われた際の漏れ伝え聞いた「よかったよかった」空気が、ああラストは酷いことにはならないだろうな、という予感で鑑賞したが、まさにその通りで全てのエヴァファン(あるいは初見の人も)が同じように「よかったよかった」と思ったのでは?
シンジとマリ。
(リアルワールドでの彼と彼女)
「だーれだ?」
「お胸のおっきなイイオンナ」
手を差し出し、引っ張り上げるようにホーム階段を駆け上がっていく。この"引っ張り上げるように"はエヴァでも幾度となく見てきたシーンだしモチーフ。
『起滅の刃』でも…(おっと別のネタバレ厳禁)
TV版「なんじゃこりゃー」ラストのリアルタイム体験も旧劇場版の劇場凍りつき現場も新劇場版エヴァも時系列に”イチ映画ファン”としてみてきただけなので、それこそ深くは説明できませんが本作のエモーショナルさは歴史的特筆モノ。
綾波レイとは林原さんにとってなんだったのでしょうか?の問いに対して「変な意味づけはしたくないから、話し合った内容はあえて言いませんが」と触れている通り、解釈は各個人でというスタンスもよき。
入場者に配られるネタバレ厳禁の護符(だよね、と、知人と話した)中には初見では理解不能な言葉の数々、これらは(スキゾ・パラノの時から新劇に至るまでの)衒学的に楽しむファンのために用意しているサービスにすら思えた。(これまたリピート記号の記す通り「序」メインバージョンチラシ裏面に数々のワードが)
(アスカの「さあ、来週もサービス、サービス」と、声が聞こえそう)
タモリが赤塚不二夫に送った弔辞「わたしもあなたの作品の一部です」はそのまま庵野監督に置き換えられそう。
宇多田ヒカル主題歌、ヘッドフォンで聴くとこれが重層的にいろいろ音が含まれていて、こんな音だったろうか?と驚いた。
劇場変えて再見してみようと思う。

Memo2
参考画像
Ev002
ニュータイプ7月号付録
(1996年7月1日発行)全36ページ
カラーページ以外に記された全26話紹介&解説。
上記、画像フォーマットで掲載されています。
ここでいろいろ解説されていることを読み返すと、シンエヴァ終劇に至るまで、実のところ25年間、庵野監督がぶれていないことがよくわかる。
TV版・副題の英文がまさに!
(この項、追記予定)

参考画像
Ewwamzbveaioxsb
Ewwanynvcaesrpi
さよならジュピター
北野劇場(現在のTOHOシネマズ梅田)
製作・原作・脚本・総監督
小松左京
特技監督・川北紘一
主題歌・松任谷由実
VOYAGER~日付のない墓標

 




※蛇足(小声)
こー言っちゃあ元も子もないけど庵野秀明には東宝ロゴの方があってたのね。




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『すばらしき世界(Under the Open Sky)』西川美和監督、役所広司、仲野太賀、長澤まさみ、他

すばらしき世界
Under the Open Sky

各シーンに触れています。(文章内・敬称略)

監督・脚本 : 西川美和

役所広司(三上正夫)
仲野太賀(津乃田龍太郎)
長澤まさみ(吉澤遥)
六角精児(松本良介)
北村有起哉(井口久俊)
白竜(下稲葉明雅)
キムラ緑子(下稲葉マス子)
安田成美(西尾久美子)
梶芽衣子(庄司敦子)
橋爪功(庄司勉)

Wonderful
Memo1
生きにくさ、不寛容、閉塞感。そんな押しつぶされそうな空気は普通に生活していても、大多数の人が胸が痛くなる息苦しさを感じる。まして三上にとってこの社会は馴染みづらく居場所が見つけられない場所でもある。
生活保護などを受けて暮らすことは三上にとっては、ある意味恥じ入ることだと思っている。
血の気が多いのか暴力を振るった瞬間だけ生き生きしてしまう。しかし根は普通の人たちよりも正義感が強く生真面目なだけなのだ。それが自分を律しようとすればするほど裏目に出てしまう。
そんな三上の人間味に周囲の人たちは微力ながらも支えていこうとする。その描き方が静けさとユーモアと丁寧なシーンの積み重ねで綴られている。
プロデューサー吉澤の押しによって、なんとも気乗りして参加したわけではなくドキュメンタリー撮影を行っていく津乃田だが、いつの間にか三上の人間力とでもいうべき魅力に惹かれていき、カメラを捨てやめてしまう。これは同時に観客側である我々の視点も津乃田と同じところに移り、このまま何も起こらずに平和に終わってほしいと願いながら見ることとなる。
(鋏のシーンはスピルバーグ監督『カラーパープル』髭剃りシーンと並ぶドキドキシーンだった)
自分が正しいことでも我慢すること、周りの支えてくれている人たちの顔が浮かんだのだろうか。
強い風が吹いている。嵐が近い。
全体的にアップが多いような気がして、後でいろいろ読んだり見たりしてわかったことは、あまりに役所広司の演技が素晴らしすぎて自然と多くなったようだ。編集の時にはもっと多かったようなので、それほど際立っていたということなのだろう。もっとも、このことによって突然の空撮とエンディングのクレーンショットが印象に残ることとなった。
タイトルが最初ではなくラストに置き換えられている。
そのこととラストシーンとの関係性を、ふと感じる。
三上が香りをかぐコスモス。
立ち尽くす5人。
カメラがゆっくりと見下ろす形で上がっていく。

Wonderful_20210228003401
Memo2
大寿美トモエさんデザインによる100ページ厚パンフレット!
鑑賞後、なんとも言えない主人公に対してのまなざし(演出側、観客側)に対して「これはシナリオ読みたいなぁ」と思っていたら決定稿が丸々掲載されていて嬉しい!
パンフレット掲載の決定稿。
シーン119と120が本編ではカット(87、88と対になっている)。
他にもいくつかあり。シーン18あたりは身元引き受け人・夫妻の印象、ちょっと変わってたかも。
こういったことが後から確認できるのもシナリオ付きパンフのお楽しみ面白み。
写真が趣味という中野大河
パンフレット56ページに、その中野大河撮影による役所公司、安田成美の素敵なツーショットが。
西川美和による著書『スクリーンが待っている』
ほぼ大半を占める本作の制作過程。
最も最近の「夜明け前」撮影の笠松さんと役所広司さん、監督との映画談義が楽しい!ジョーカー、タクシードライバー、キングコング対ゴジラ、帝国の逆襲…
そして最後はこう締めくくられている。
「最良の時が、最後の時だ。次はまた、もっとすばらしき世界が待っている。」
幻の母親役となった八千草薫さんのこと、日本でのロケ撮影のこと、役所広司さんとシナリオと対峙しての言い回しのこと、など。『すばらしき世界』出来上がった映画の裏側で繰り広げられた出来事の数々。
役所さんの帯コメント通り「映画作りの教則本です」

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Memo3
動画1
役所広司は切り札(ジョーカー)だ
映画『すばらしき世界』西川美和監督インタビュー
(インタビュー部分、約7分プラス予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=HHJyQIUryz4
動画2
本編映像
パンフレットに掲載されているシナリオ決定稿中
シーン59(途中)から60(こちらも途中まで)
https://www.youtube.com/watch?v=Smi_jmYE_CY







 

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