『あのこは貴族』山内マリコ原作、岨手由貴子監督・脚本、門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ、他
『あのこは貴族』
監督・脚本 : 岨手由貴子
原作 : 山内マリコ
門脇麦
水原希子
高良健吾
石橋静河
山下リオ、他
※Memo1
●ものすごく品の良いショットの数々にうっとり。
持って入ったコーヒー飲むの忘れるほど惚れ惚れしました。
冒頭、新年祖母を囲んでのお食事会あと、ゆったりとした坂を歩く家族、姉と並んだ門脇麦のショット。
8mmで撮ったら、こんな外光になってたなぁと画面の豊かさに眼福。
●普通に考えたら演じる役は逆だろうけれど、そこが入れ替わっているところがキャスティングの妙。
●門脇麦が別荘で着ているセーターとブラウス、終盤水原希子、山下リオが手にしているのがスタバでなく、マウントレーニアなところとか些細なところツボりました。
あと(おそらく意図的に整音していると思うけれど)暖炉のパチパチといった火の音や弟が手に取るカサカサカサと聞こえるお菓子袋の音、雨の音とかも本作の端正さのひとつ。
●役者陣の生き生きとした演技、そして声がまた、よいわー。
●ショットのつなぎと音楽のバランスも絶妙。
テレビがついている画面や音もなくて(ちらっとぐらいはあったのかな)うるさくなくてよかったー。
これって最近の映画やドラマでは珍しいかも。(そもそも榛原家も青木家テレビ無いかも?)
※Memo2
●原作と映画、それぞれの表現
(以下追記予定)
●障子の開け方、挨拶の作法、敷居の跨ぎ方、座布団へは最初座らないことなどあらゆる所作を値踏みするかのごとき眼で見つめる青木家。
ひとつ上のクラス(階級)からの視線。
●映画にはない結納シーン。
挙式の話からオークラ本館が取り壊しになる話へ。
「あのロビーラウンジがなくなるとは残念ですね」「ほら、あの有名な照明」とオークラランタンやなまこ壁のことを。
「帝国にいるのにオークラオークラって、なんだか悪いわねぇ」(文庫版 200~203P)
「青木の母は、まだホテルが経つ前の、大倉さんのお邸だったころの様子を覚えているそうですよ」
「うちは父親の代から神谷町なもので」
●逸子(石橋静河)が青木家のことを呟く「私たちの家より上の階級だね」これは「閨閥の世界」ということになるのかな (昔、家系図付きのルポルタージュを読んだことがあるが、まあそれはそれは恐ろしい内容でした)
※Memo3
●大島依提亜さんデザインのパンフレット。
この用紙にして箔押し、一枚めくると特別な紙。
本文メイン使用紙もよく黒が沈み込み、くっきりはっきり印刷。
奥付印刷会社、チェックしてしまった 笑
画像はポストカード、パンフレット、原作(文庫版)
映画『あのこは貴族』公式サイト
https://anokohakizoku-movie.com/
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