« 2021年6月 | トップページ | 2021年8月 »

2021-07-10

『Arc アーク』石川慶監督、ケン・リュウ原作、芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫、他

Arc アーク

原作 : ケン・リュウ
監督 : 石川慶

芳根京子
寺島しのぶ
岡田将生
清水くるみ
井之脇海
中川翼
中村ゆり
倍賞千恵子
風吹ジュン
小林薫


Arc2
Memo1
まさに円弧を描いた物語に呼ばれるように、もう一度最初のシーンから見てみたくなる再見必須の作品。
原作未読で見たら、どんな印象だったのかは今となっては不可逆。
はたして、この物語を映画にすることは可能なのだろうか?
あゝ2パターン体験できたら..と思う心がSF。
原作を読んだ時に感じたのは自分より若い母親に会う息子。
(「インターステラー」の自分より外見が若い父親に会う娘を想起)
映画ではその息子役を小林薫、パートナーである芙美(原作にはない役)を風吹ジュン。
リナによるプラスティネーションの”舞”のシーン。
低い姿勢でスーッと動いたつま先が円弧を描く。
師であり恩人でもある永真(寺島しのぶ)がのりうつったようでもある。
不死の施術を受けたリナの手から消えるホクロ。
それは逆の意味での印(しるし)
好きなシーン。
「パパ、おはよう」
娘のハルがプラスティネーションが施された天音の腕(手)に挨拶。
そのまま貝殻のレリーフに触れて2階へ。続いてリナもレリーフに触れて上がっていく。
カラーからモノクロへ転換する中盤。
夫、天音(岡田将生)の死後、ひとり不死のまま残るリナとハルの世界。
時間が止まっているという意味でも静謐さにあふれたシーンの数々。
さらに終盤、モノクロからカラーに移る瞬間。
暗室の真っ赤な画面。浮かび上がるモノクロ写真。
うまい転換方法。
そして、また動き出すリナの時間。
音楽が奇しくも(偶然?)芳根京子主演の朝ドラ『べっぴんさん』を手がけた世武 裕子
(あとで知りましたが師事した作曲家がガブリエル・ヤレド)
石川監督とは3度目のピオトル・ニエミイスキによる撮影。
前半と後半でルック自体が変わる。驚いた。
カラーグレーディングもポーランドで行われ、キエシロフスキ監督に通底する透明度。
美しい。
原作にも映画にも登場する台詞
ラスト。
リナ(ここでは倍賞千恵子・135歳)と娘ハル(ここでは中村ゆり・50歳)が海岸で語らう。
「永遠に生きるチャンスを得た最初の女性は、それを諦める最初の人間にもなるのね」

Arc1
Memo2
パンフレット。
鑑賞後、表紙の写真自体に感激した(エッ?!此処?を使うという冒頭の灯台シーン)。
監督、原作ケン・リュウ、主演の芳根京子はもちろん、造形コンセプトデザイン、振付、美術、撮影、音楽、衣装デザイン全てにおいてインタビュー、キーワード(会話・専門用語・事象)などが掲載されている。
副読本としてもオススメ。
リナの孫にあたるセリの写真が1枚も掲載されていない。
このセリも芳根京子が演じていて、オーバーオール姿ではしゃぎ気味に走り回る姿にはビックリした。
ラストは3人が同一画面にいることになる。
リナ(135歳)ハル(50歳)そしてセリ。
『SFマガジン』8月号。
『Arc アーク』公開記念特集。
石川慶監督インタビュウで是枝裕和監督『真実』劇中劇がケン・リュウ「母の記憶に」だったことについて触れてる!確かに「あ!」って思っただろうなぁ。
ケン・リュウ「不死」をテーマとした姉妹編とも言える作品。
『円弧(アーク/Arc)』を地球編『波(The Waves)』はさしずめ宇宙編。(2015年「紙の動物園」訳者あとがき)
VIDEO SALON 2021年7月号
特集 : 映画に学ぶ映像編集術
『Arc アーク』の舞台裏。
石川監督との共同編集者、太田義則インタビュー。
「年代を表すキャプションについて有る無し含め、フォントの種類、ポイント、位置などミリ単位で詰めた」
デザイン的にも硬質な、あの感じはこういったところまでと驚く。
Arc
Memo3
不老不死というと、やはり『火の鳥』を思い出す。
ただ、こちらのテーマは繰り返される円環のドラマであるという違いがありますが。
『アーク/Arc』は始まりと終わりのある円弧。
「DVD&動画配信でーた」7月号。
あの人が選ぶ映画3本立てプログラムで石川慶監督が最初に挙げた作品がアンドリュー・ニコル監督『ガタカ』
そこでのCGを多用せず既存の建物を用いてのフューチャー感を出す手法は『Arc アーク』でも試みたと答えている。ちなみにスワヴォミール・イジャックは石川監督が通っていた大学の大先輩だそう。
Hinotori1



|

« 2021年6月 | トップページ | 2021年8月 »