『子供はわかってあげない』田島列島原作、沖田修一監督、上白石萌歌、細田佳央太、豊川悦司、千葉雄大、他
『子供はわかってあげない』
原作 : 田島列島
監督 : 沖田修一
出演 : 上白石萌歌
細田佳央太、豊川悦司
千葉雄大、斉藤由貴
古舘寛治、他
※Memo1
●それにしても、ひたすら上白石萌歌さんが笑っていて、こちらも最後まで、ずーっとニコニコして見てた。
のびのびとした屈託のなさと勢い、間合い、身体性。
画面からはみ出しております(実は今の家族のことを大事に思っていて、ずっと深いところにしまい込んでいるものもある)
●オープニング。
いきなり始まるアニメ。しかも超ニッチな左官少女って 笑
このアニメを見ている美波と父親、走り回る弟、寿司を団扇(このうちわ、後も出てくる)であおぐ母。
ここをフィックスカメラの長回しで捉える(仲の良さや関係性も伝わる楽しい撮り方)
●ラスト、屋上での告白シーン。原作19話。
「もじくん、あのね、私、もじくぶふぉう」そのまま、やるのかなぁって思ったら、ほぼそのままで嬉!吹き出し方がナイスタイミング。あと、見ないように(見ると笑う)手で目を隠す感じも抜群の見せ方。
●豊川悦司、かなり癖あり父親役。
顔の日焼けがいかにも雑で、あー、この海岸前の家で暮らしてる感ビシバシ。
ある意味、原作越えの怪演。
ブーメランタイプの競泳水着を着て仁王立ちする父
「僕にも、泳ぎ、教えてくれよ」
(これではアブナイオヤジやん 笑)
家の前にテント張ったり、コロッケ買うついでにテレビ買ってきたり、なんだかいろいろ変だけど「娘と過ごせることが楽しい」感、出てて良いわ〜。KOTEKOのBOXセット買ってきてるし。
●水泳部顧問の役名が「な」って、そのままやー。
ちなみに原作にも出てます。(さすがに映画では役名あるかと思ったら、脚本でもやっぱり「な」でした 笑)
タルンドル朔田とか細かいフレーズも。母、由起の「OK牧場」も。
●もしかしてPG12って「海苔巻きちんちん」のことか?って思ったら未成年飲酒の件ね。
これもエンドロールの一番最後に「お酒は20歳になってから」の習字で補足していて、見事なオチ。
※Memo2
●パンフレット。
原作の田島列島さん描き下ろしイラスト
「屋上のふたり、その後」あり。
本編でもじくんが砂浜に「朔田美波」と描く場面、それに対して終盤、実はもじくんに会いたい美波がプールサイドに水で「もじくん」と描いた、そのシーンが描かれています。
撮影シナリオ掲載。
断り書き通り本編には無いシーンも。
同学年の水泳部、宮島が美波にパピコを膝で二つ割りして渡すところとかも。
(ほとんど膝蹴りみたいだが、あれでいいのか 笑)
あと「じゃりじゃり〜」
そして宮島との挨拶。「アデュー」は上白石萌歌さんが歌手の時に使うadieuのことだと思うけど、ちょっと小粋な小ネタ。
●原作からの抽出度が絶妙。
もじくんの兄、明大の探偵シーン(父親探しと教祖が教団のお金持逃げ事件を同時に追う)がもっと多くあるけれど、父と娘の夏冒険物語&ガールミーツボーイものにしたところがシンプル&大正解。
●沖田監督作品はほぼリアルタイムで公開時に見ているけれど(昨年の「おらおらでひとりいぐも」はお気に入りベストテンに)本作は格別な面白さがある。
●原作「あとがき」によると趣味で長編を描いてみようと思い立ってできたのが『子供はわかってあげない』しかも、これは趣味だと自分に言い聞かせなければどうにも描き出せなかった、とも。
「これは趣味だ これは趣味だ これは趣味だ 逃げちゃダメだ」には吹いた。
●(サウンドトラック/牛尾憲輔)
サブスク配信されているので鑑賞後、聴ける方「走れ!!!」を是非。
おぉぉっ!ってなる。「じゃりじゃり〜」
●もじくんが連絡が取れなくなった美波のことを案じて江虫浜に向かうシーンでかかる曲が、お!これって「ラブストーリーは突然に」じゃないと思ったらサントラ曲名が「左官のこころは突然に」
しかも脚本では→シーンNo.77 門司、トレンディードラマみたいに走る。
●映画『子供はわかってあげない』劇中アニメ
【魔法左官少女バッファローKOTEKO】本編映像&ED
https://www.youtube.com/watch?v=7smP_TUKASY&t=1s
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