『ベネデッタ』ポール・ヴァーホーベン監督
『ベネデッタ』
Benedetta
ポール・ヴァーホーベン監督
※Memo1
●傑作。
17世紀に実在した同性愛主義で告発された修道女ベネデッタ。ヴァーホーベン監督らしい”えげつなさ”もあるが、実は表面には出ない教皇大使や教会のおこなっていたことの”ほのめかし”描写こそ当時の男社会、権力、組織そのものを語っている。エネルギッシュにして理知的。
予言のち、蔓延するペストに対して修道院長としてベネデッタが出した指示。これは冒頭、幼少の頃のある小さな出来事ともつながる偶然?奇跡?演じることと憑依すること。虚か実か。ウソから出たまこと。自作自演と人心掌握術。演じたヴィルジニー・エフィラの見事さ。
●宗教画のようなショット。町がピンク色に染まる彗星出現場面、ロウソクの灯りのみで撮られた修道院、クライマックスのベネデッタ演劇空間からのシスター・フェリシタ(今月、2作目のシャーロット・ランプリング!)登場への展開。編集もすごいと思ったら『エル ELLE』と同じヨープ・テル・ブルフでした。
※Memo2
●パンフレット。
表紙の裏にはベネデッタとバルトロメア、表4めくるとシスター・フェリシタ写真。これは護符のよう。ヴァーホーベン監督とヴィルジニー・エフィラ インタビューが縦組み小さい文字でビッシリ。みうらじゅんさんの漫画と辛酸なめ子さんコラムが最高。キーワードと年表も。
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