フランシス・フォード・コッポラ監督、ジーン・ハックマン主演『カンバセーション…盗聴…(The Conversation)』
フランシス・フォード・コッポラ監督・製作・脚本によるサスペンス映画の傑作『カンバセーション…盗聴…(The Conversation)』(1974年製作)。出演はジーン・ハックマン、他多数(後述)。カンヌ映画祭グランプリ。
物語・プロの盗聴屋ハリー・コール(ジーン・ハックマン)は通称"専務"(ロバートデュヴァル)からの依頼であるカップルの会話を録音。しかしテープを渡す段になっての相手側の対応(会う約束の際、専務ではなく秘書が代わりに受け取ると言い出したり)に疑問を抱きテープを再生して内容を知ってしまう…
※Memo
●俯瞰ショットから始まるオープニング(まるでスナイパーのようなガンマイク、最初に目につくパントマイマー、紙袋にマイクを忍ばせ近づくチームが盗聴しているカップルを次々と映しとる)から不安を漂わせる室内を捉えたラストシーンまで無駄な部分が全くない途切れることがないサスペンス。
●ハリー・コールはニューヨークで行った盗聴が原因で3人の死者が出ていることを知り、その地を離れた。が、業界は狭いというのか情報は漏れているというのかハリーの仕事ぶりは既に知れ渡っている。(業界のコンベンションに参加した際にまるでスターにでもあったかのように「ハリーさんでしたか…せめて我が社の製品と一緒に写真でも写してもらえませんか」と言われる始末)
終了後ハリーの仕事場に打ち上げ(パーティの続き)として流れこむ同業者やスタッフ。この部分が中間点。ここからハリーの強迫観念と実際にテープが盗まれたり徐々に怖さが増していく。
ラスト、知られているはずのない電話番号に秘書(ハリソン・フォード)から電話が。
「気づいたようだな」
「盗聴してるからな」
(盗聴屋に盗聴しているという声)
プロの盗聴屋だからこそ、わかる手口。
照明器具を調べ、コンセントを分解し、床や壁を剥がし、部屋中を探しつくしボロボロになった部屋でサックスを吹くハリー。
映画はそこで静かに終わる…。
●コッポラ=ルーカス=スピルバーグのラインが浮かび上がるキャスト。(接続ポイントとでも呼ぶべきかも)
テリー・ガー→未知との遭遇
ハリソン・フォード→スターウォーズ、インディ・ジョーンズ
ロバート・デュバル→ゴッドファーザー、地獄の黙示録
フレデリック・フォレスト→ワン・フロム・ザ・ハート
ジョン・カザール→ゴッドファーザー
●撮影はビル・バトラー(「雨のなかの女」「ジョーズ」「カッコーの巣の上で」など70年代の傑作群を数多く撮影)。
●元々、音響技師だったウォルター・マーチが編集も兼任として初参加。のちに数多くの編集と音響に携わることに。(「地獄の黙示録」「イングリッシュ・ペイシェント」など)
思い浮かんだこと→この雰囲気を「アルゴ」や「裏切りのサーカス」は醸し出していたのだなぁ、と(←どちらも好みの作品たる、ひとつの要素)
●初見は大阪・梅田地下劇場(現在のTOHOシネマズ梅田)で『アメリカン・グラフィティ』とのロードショー2本立て公開で(今思うと贅沢な2本立て!)。
奇しくも「アメリカン・グラフィティ」に出ているハリソン・フォードとシンディ・ウィリアムズが本作にも出演していた。
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